脇息(きょうそく)

脇息(きょうそく)
脇息(きょうそく)は、脇に置いてもたれかかるための安楽用具です。

古事記や日本書紀では几(おしまずき)、奈良時代には挟軾(きょうしょく)と呼ばれました。

正倉院に「紫檀木画挟軾」として伝わっているものが古形であり、使用法も身体の前面に置いてもたれかかるものでしたが、平安時代以降は
脇に置いて片肘をつくための天板光月型、上部に綿を敷き布を張ったものも生まれました。

材質には紫檀(したん)などの木の他、竹が使われました。

平板には長方形のものの他、湾曲した形や女性用として引き出しが付いた箱形の「寄懸(よりかかり)」もありました。

平板に四本脚を付けたものが典型的な形で、平板に綿を詰め、毛足の長い織物などを張ったものがあります。

主に明治時代まで和室において使用され、時代劇などでは貴人(将軍、大名、貴族など)が上座にて使用する光景が見られますが、実際には私室で用いられ、公式の場に置かれることは無かったようです。

現代では料亭や高級旅館などで客用に置かれたり、囲碁・将棋の対局の場でかろうじて、その名残を見られます。

御伽草子(おとぎぞうし)に収録されている天稚彦草子では、人間の娘が姿を変えられて脇息になる場面があります。

『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』(1712年)より
▲『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』(1712年)より

江戸時代 名古屋城蔵
▲江戸時代 名古屋城蔵

近年(2000年以降)製作されたもの
▲近年(2000年以降)製作されたもの

座椅子と座布団と脇息
▲座椅子と座布団と脇息


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参考文献(wikipedia);
脇息(きょうそく)
https://bit.ly/3qMmIfM
正倉院(しょうそういん)
https://bit.ly/39iC9Xe
御伽草子(おとぎぞうし)
https://bit.ly/3a2KFc0
天稚彦草子
https://bit.ly/3qQhZtA
紫檀(したん)
https://bit.ly/3ojhJBJ
和漢三才図会(わかんさんさいずえ)
https://bit.ly/3qX4V5R
肘掛け(ひじかけ)
https://bit.ly/3po62uI