三日月湖の形成

三日月湖の形成
三日月湖(みかづきこ)とは、河川の自然堤防帯(扇状地から三角州へ至る区間)における蛇行の進行の結果、河道が切断され短絡化し形成された旧流路のことです。

河跡湖(かせきこ)とも呼ばれ、典型例として石狩川の中流が挙げられます。

福島県郡山市郊外を流れる阿武隈川
▲福島県郡山市郊外を流れる阿武隈川。
 河川改修前の河道跡(三日月湖)が残っています。

北海道雨竜郡雨竜町(うりゅうちょう)にある三日月湖
▲北海道雨竜郡雨竜町(うりゅうちょう)にある三日月湖。
 国土交通省『国土画像情報(カラー空中写真[1977年撮影])』

自然状態の蛇行した河川と無数の三日月湖(ロシア)
▲自然状態の蛇行した河川と無数の三日月湖(ロシア)

洪水時に氾濫する低地部分の中を蛇行する河川は、
僅かな地層、地形の変化で幾つものカーブを創り出します。

カーブの外側では侵食、内側では堆積が行われるために、カーブは徐々に大きなものとなり、根元の括れが小さくなっていきます。

やがてカーブ同士が接合して流路が短絡されると川の水は短絡路を流れるようになり、大きくカーブしていた旧河道は流れから取り残されます。

その結果、新河道と旧河道との間に土砂が堆積して旧河道は河川から切り離されて湖となります。

多くの場合、この湖が三日月形となっているため三日月湖と呼ばれます。

また、洪水などによって大規模な侵食が起きて流れが変わったり、河川改修にともなう人工的な流路変更によって同様の地形が作り出される
ことがあります。

このような地形が陸地化された場合、地震による液状化現象の原因となることが多く、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)でクローズアップされました。


↓ 三日月湖が現存する主な河川 ↓

・北海道:石狩川、天塩川、釧路川、標津川、雨竜川、
     幌別川、夕張川、千歳川、真勲別川(河川自体が三日月湖)

・東北:田名部川、大畑川、雄物川、阿武隈川、最上川、北上川

・関東:利根川、渡良瀬川、荒川、小貝川、

・中部:阿賀野川、関川、狩野川、栃山川、早月川

・近畿:加古川、猪名川、大日川

・九州:筑後川、緑川、加勢川、浜戸川、黒川、七瀬川、石崎川、三財川


▼三日月形に削られたこの「ドアハンドル」は、時間や天候、見る角度によって多彩に表情が変わります。
三日月形に削られた「ドアハンドル」

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参考文献(Wikipedia);
扇状地(せんじょうち)
https://bit.ly/304F3tP
三角州(さんかくす)
https://bit.ly/3mK3lTD
石狩川(いしかりがわ)
https://bit.ly/32VTF0a
阿武隈川(あぶくまがわ)
https://bit.ly/3kOfFAp