紬(つむぎ)の歴史、各産地での名称

紬(つむぎ)の歴史、各産地での名称
紬(つむぎ)とは、紬糸で織られた絹織物のことです。

蚕の繭(かいこのまゆ)から糸を繰り出し、撚り(ヨリ)をかけて丈夫な糸に仕上げて織ったもので、木綿(もめん)を素材とするものや
紬の生地を縫製した和服を指す場合もあります。

オレンジの紬の一重色無地
▲オレンジの紬の一重色無地

絹糸は繭の繊維を引き出して作られますが、生糸を引き出せない品質のくず繭をつぶして真綿(まわた)にし、真綿より糸を紡ぎだしたものが
紬糸です。

くず繭には、玉繭、穴あき繭、汚染繭が含まれ、玉繭とは、2頭以上の蚕が一つの繭を作ったものをいいます。

紬糸は手で撚りをかけるため太さが均一ではなく、玉繭から作られる糸は2本の糸が複雑に絡まっており、節の多い糸になり、これを玉糸や節糸ともいいます。

紬糸には綿を解いて紡いだいわゆる木綿糸もあります。

これらの糸を平織りした布が紬の生地です。

紬糸は緯線・経線の両方に使用する場合と、片方に使用する場合があります。

本繭から作る絹糸を用いた布の表面が絹独特の光沢を帯びるのに対し、紬は鈍い光沢を放ち表面に小さなこぶが生じ、独特の風合いを持ちます。

耐久性に非常に優れ、古くから日常の衣料や野良着として用いられ、父から子へと数代に渡って着繋がれました。

織りたては生地が硬く着心地が悪いため、裕福な商人は番頭などに自分の紬を着せて柔らかくなった所で自分で着用したという話もあります。 

江戸期に贅沢禁止令が出された折に高価な絹物を着ることが禁止されました。

しかし、富裕な町人たちは絹を着ることを諦めずに「遠目からは木綿に見える」ということで工夫され、絹であるのに木綿と言い張って着ることができるようになるようにと好んで着るようになったという説もあります。

色合いが渋い上に絹なのに絹らしい光沢を持たない、さりげなく趣味の良さを主張できる粋な反物として人気を博しました。

そのため農村の若い女性にとっては大切な収入源となりましたが、紬の名産地・米沢(よねざわ)の女性たちは丹念に織り上げた布を
出荷する夜には別れを惜しみ「米沢の女は紬を抱いて寝る」とも言われました。

織るのに手間がかかることもあって現代では着物好きの人が趣味的に着用する衣装として高額で取引されています。

野良着であったことから、材質が絹であっても正装に用いてはならないとされ、外出着若しくはお洒落着として用いられることが多い
ですが、近年では略正装程度であれば用いる場合があります。

各産地の主な紬には以下の名称があります。

米沢紬、仁田山紬、結城紬、牛首紬、信州紬、郡上紬、椎名紬(河内の椎名地域が呼称の由来)、久米島紬、大島紬(鹿児島県「大島」という古い正式地名からの呼称。現在の奄美大島)交織紬、琉球紬、弁柄紬、塩沢紬、遠州木綿(遠州綿紬)、伊那紬


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参考文献(Wikipedia);
紬(つむぎ)
https://bit.ly/2SZdP3J
蚕(かいこ)
https://bit.ly/354rZWP
繭(まゆ)
https://bit.ly/3jaQyqk
絹(きぬ)
https://bit.ly/3dvn70G
絹織物(きぬおりもの)
https://bit.ly/3k7P6pY
木綿(もめん)
https://bit.ly/3lSqUIC
真綿(まわた)
https://bit.ly/2SWiVOh
米沢紬(よねざわつむぎ)
https://bit.ly/37gbN7B
結城紬(ゆうきつむぎ)
https://bit.ly/3nYtZZi
牛首紬(うしくびつむぎ)
https://bit.ly/3nToLhw
信州紬(しんしゅうつむぎ)
https://bit.ly/3nSLaM5
久米島紬(くめじまつむぎ)
https://bit.ly/37pkexJ
大島紬(おおしまつむぎ)
https://bit.ly/3dxQ1NZ
琉球紬(りゅうきゅうつむぎ)
https://bit.ly/2H7P3vM
塩沢紬(しおざわつむぎ)
https://bit.ly/2IF8DQN
遠州木綿(えんしゅうもめん)
https://bit.ly/3k5OYaa