石工の歴史(世界と日本)

石工の歴史(世界と日本)
石工(いしく、せっこう)は、石材を加工したり、それで何かを組みたてたりする人や職業のことです。

石工のけがき(表面に傷をつけて線を引く)様子(フランス)
▲石工のけがき(表面に傷をつけて線を引く)様子(フランス)

Leopold-Altarが描いた石工が働く様子(1505年の絵画)
▲Leopold-Altarが描いた石工が働く様子(1505年の絵画)

現代の石工が仕事をしている様子(ドイツ、2007年)
▲現代の石工が仕事をしている様子(ドイツ、2007年)

石工が鑿(のみ)と槌(つち)で比較的やわらかい石を加工している様子(フランス)
▲石工が鑿(のみ)と槌(つち)で比較的やわらかい石を加工している様子(フランス)

石工が鑿(のみ)とマレット(槌の一種)で仕事をしている様子。
▲石工が鑿(のみ)とマレット(槌の一種)で仕事をしている様子。
 頭の部分が丸くて大きな槌を使っています。(ドイツ)

石工は人類文明の初期からある職業のひとつとして知られます。

自然石は、木材と並び、最古の建材のひとつで、頑丈で長持ちはするものの、加工が難しく、コストのかかる建材でもありました。

そのため、城壁・宗教施設・護岸・道路・橋梁など、過去には重要とされた分野で石が使われてきました。

石工は、そういった事業にかかわりあう専門的な職業として、古くから確立されていました。

石造りのものは長く残るということもあって、石工ともども歴史・技術史などに登場することは多いです。

石による建築物・構成物として著名なものに、エジプトのピラミッド、ソールズベリー近郊のストーンヘンジ、イースター島の巨石彫刻群、アテナイのパルテノン神殿やエピダウロスの円形劇場、ペルーのマチュ・ピチュ、中南米ユカタン半島全域に存在するマヤ・アステカ遺跡群、カンボジアのアンコール・ワット、ヨーロッパ各地の大聖堂、各所の城砦建築などがあげられます。

ヨーロッパでは伝統的に近世までは彫刻家と石工の区別がなく、両者は同じ職業組合に所属しました。

現在では、他の新技術に押されており、石工の登場する範囲はだいぶ狭くなりました。

しかし、墓石を含む記念碑類・石灯籠をはじめとする宗教的設備・各種の屋外装飾品類などでは石の細工品、そしてそれを製造する石工は、確固たる地位を維持しています。

古代エジプトの石工
▲古代エジプトの石工

岩にくさびを打ちこみ、狙ったところで割る
▲岩にくさびを打ちこみ、狙ったところで割る

ノートルダム大聖堂(フランス・パリ)
▲ノートルダム大聖堂(フランス・パリ)。
ヨーロッパの歴史的建造物の ほとんどは石でできています。ヨーロッパで建物づくりは、基本的に 石工が行うものでした。

スペインのサグラダ・ファミリア(聖家族教会)の建築
▲数百年をかけて作られているスペインのサグラダ・ファミリア(聖家族教会)の建築・彫像づくりには日本人が関わっています。

アンコール・ワット
▲ODA(政府開発援助)で「一般文化無償資金協力」として、日本人石工が、アンコール・ワットの修復のために必要な様々な技術を現地の若者に教え、修復の専門家として育ててきました。

日本では、比較的地震が多いという土地柄、建築物の分野では、あまり普及しませんでしたが、土木的分野では古くより使われてきました。

城における堀の垣などには、ほとんど例外なく石垣が使われ、近世以降には石造のアーチ橋も建造されてきました。

現代では、土止めの壁や橋梁類は、コンクリートや鉄などによって作られることが大半ですが、外装として薄い石板などを化粧板として貼り付けることがあります。

そして、そういった自然石を使った化粧板などを製造するのも、現代の石工の仕事です。

安土桃山時代に築かれた安土城では、延暦寺の石組みを行っていた職人である穴太衆(あのうしゅう)が動員されたといいます。

肥後の石工は技術がとても高いと言われ、通潤橋や霊台橋などの歴史的な重要文化財があり、全国の石橋の4割を熊本県が占めます。
(霊台橋のある美里町には、3,333段の日本一の石段があります。)

他にも、熊本城の武者返しと呼ばれる、美しい扇勾配を持つ石垣などから、当時の技術の高さを垣間見ることができます。

使用する石材は主に花崗岩が多いですが、多くは近場で採取できる石材を使うことが多かったです。
(銘石などとして特定の石がもてはやされるようになるのは、一般的には、輸送上の問題が解決された近代になってからです)

また、石を組み上げる技術は、最高レベルでは石と石の間に紙が通らないと言われるほど精巧なものでした。

日本の石工の仕事例。(三重県鳥羽市国崎町)
▲日本の石工の仕事例。(三重県鳥羽市国崎町)


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「石材の光壁」

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▼デザインガラス一覧
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参考文献(wikipedia);
石工
https://bit.ly/2WITRfC
けがき針
https://bit.ly/3mQrR46
ノートルダム大聖堂 (パリ)
https://bit.ly/3plv7pJ
サグラダ・ファミリア(Sagrada Família)
https://bit.ly/2WLxYfi
聖家族
https://bit.ly/2WJPP6E
アンコール・ワット(Angkor Wat)
https://bit.ly/2Koub5p
ストーンヘンジ(Stonehenge)
https://bit.ly/37M4Afj
パルテノン神殿(Parthenon)
https://bit.ly/3mKFqC7
円形劇場(アンフィテアトルム)
https://bit.ly/38xe1yy
マチュ・ピチュ(Machu Picchu)
https://bit.ly/3aD8WqX
マヤ文明
https://bit.ly/38BZmC4
アステカ(Azteca)
https://bit.ly/38qE1eI
安土城
https://bit.ly/3nMFwun
延暦寺
https://bit.ly/3hfsuDa
穴太衆(あのうしゅう)
https://bit.ly/3hjg65g
通潤橋(つうじゅんきょう)
https://bit.ly/37LQVVN
霊台橋(れいだいきょう)
https://bit.ly/3nZW5mR
釈迦院(日本一の石段)
https://bit.ly/37LM6vD
熊本城
https://bit.ly/38wvjvM
花崗岩(かこうがん)
https://bit.ly/3hgKs8v