Qi(ワイヤレス給電)

Qi(ワイヤレス給電)
ワイヤレス給電の国際標準規格「Qi」(チー)は、アメリカのWPC(ワイヤレス・パワー・コンソーシアム[Wireless Power Consortium])が
策定しました。

現在、携帯電話やスマートフォンを対象とした15W以下の低電力向け規格のみ策定されています。

名称の由来は中国語の「気(氣・气)」(ピンイン:qì)です。

NTTドコモでは、Qi規格に準拠したワイヤレス充電機能を「おくだけ充電」と称しており、登録商標(第5477771号ほか)を保有しています。

スマートフォンとその充電台
▲製品例(スマートフォンとその充電台)

初期のQi(v1.0)は、古くから実用化されていた「電磁誘導方式」を元にしています。

これは、2つの隣接するコイルの片方に電流を流すと発生する磁束を媒介し、隣接したもう片方に起電力が発生する電磁誘導の原理を用いたものです。

この方式のワイヤレス給電システムは過去に幾つか実用化されましたが、独自開発のものが多く、異企業間での機器の相互利用が出来ない状態が続いていました。

そのような欠点を解消するため、2008年にWPCが立ち上げられ、企業間での相互利用を可能とする国際標準規格を策定する事となり、2010年7月に『最大5Wの低電力向け』Qi規格(Volume I Low Power)の策定を完了しました

使用する周波数帯は110~205kHzまでの間と定められています。

これはAirFuel AllianceのPMA規格(100~200kHz)とほぼ一緒で、受電側から送電側へのデータ通信はハードウエアレベルで互換性があるために両方を統合することも可能です。

WPCではQi規格(v1.1)から、Q値の低い磁界共振を一部取り入れて受電側だけを共振させるという広義の電磁誘導で、同時に広義の磁界共振ともいえる構成となっています。

その後、v1.21では受電側の共振は断念され、送電側のみが共振する構成となりました。

さらにWPCでは中電力向けQi規格(Volume II Middle Power)の検討が進められています。

この中電力向けQi規格v1.2では、まず15Wでの充電に対応し、将来的に120Wまで供給する事が可能となります。

15W規格書は、2015年6月23日に策定されています。

充電台(送電側)と携帯機器(受電側)との間では受電側から送電側への単方向通信が行われます。

受電側は電力を受け取っている限り、定期的にパケットを送り返すことになっており、これにより送電側は充電面上にあるものがQi対応機器なのかそれ以外の異物なのかを判断できます。


通信の内容は受電量の必要量に対する差分、送電停止要求、受電中の電力、携帯機器の充電率が主ですが、充電開始時には受電側の識別情報が送られ、機器固有の情報が送られる場合もあります。


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参考文献;
WPC[Wireless Power Consortium]
https://bit.ly/2Ey1X4x

株式会社NTTドコモ
https://bit.ly/32iJtxn
ワイヤレス充電
https://bit.ly/3j9Q8Ra

Wikipedia;
Qi (ワイヤレス給電)
https://bit.ly/3lbMmZq
Wireless Power Consortium(ワイヤレスパワーコンソーシアム)
https://bit.ly/3j6RxIj
NTTドコモ
https://bit.ly/32eZYdO